夜が深まるにつれて、画面の向こうの彼女が少しずつ奇妙に見えてきた。最初はただのビデオチャットだった。言葉を交わし、笑い合い、どこかで繋がってる気がしてた。でも、彼女の背景に映る桜の木が、動くたびに不自然に揺れてたんだ。気づいた瞬間、背筋が冷えた。合成か?それとも俺の頭がおかしくなったのか?
失敗だったよ。あの夜、3時間も話して、最後に「またね」って言われたけど、彼女の目が一瞬、ピクッと動いて固まった。回線の問題じゃない。あれは人間じゃなかったかもしれない。
そこからだ。俺はプロフィールを観察する庭師になった。日本のモデルたちのページを隅々まで見て、ちょっとした違和感を探す癖がついた。背景の影、言葉のテンポ、笑顔の角度。そういう細かいところに失敗の教訓が隠れてる。
例えばさ、こんな場所でプロフィール漁ってると、たまに完璧すぎる子がいるけど、逆に怪しいんだ。失敗から学んだよ。次はもっと鋭く見抜いてやる。仮想の花園で迷子になる前にね。