夜の街角を歩いてたんだ。少し肌寒くて、人通りもまばらでさ。なんか寂しい気分だったから、ちょっとだけ勇気を出して声かけてみようって思った。普段はそんなことしないんだけど、その日は何か違ったんだよね。
で、目の前にちょうどいい感じの子が歩いてて。髪が少し風に揺れてて、街灯の光が反射してきれいだった。心臓がバクバクしてたけど、「あの…すみません、ちょっとお話しませんか?」って声かけた。自分でもびっくりするくらい震えた声だった。
そしたらその子、立ち止まってこっちを見てくるわけ。顔がよく見えた瞬間、なんか見覚えあるなって思ったんだよね。でも、まさかねって。で、彼女が「え…もしかして…?」って言い出して。そこでもう頭真っ白。
「えっと…どこかで会ったことあります?」って聞いたら、彼女、ちょっと笑って「ウェブで話したことあるよね?」って。もうその場で固まったよ。だってさ、俺、最近ウェブカムサイトで話してた子のこと思い出して。声とか雰囲気とか、確かに一致するんだもん。
リアルで会うなんて考えてなかったから、めっちゃ焦った。彼女は「こんな偶然あるんだね」って軽く笑ってたけど、俺はもう「うわ、どうしよう、どうしよう」って頭の中ぐるぐる。結局、ちょっとだけ立ち話して別れたんだけどさ。
あの子の顔、ウェブで見た時よりずっと柔らかくて、街の灯りの中でなんか特別に見えた。ナンパなんて初めてだったのに、こんな展開になるなんて思わないじゃん?でもさ、正直、失敗でも成功でもないこの感じ、なんか癖になりそうで怖いよ。
ウェブで話してた時は気楽だったけど、リアルだと全然違うね。次にウェブで会ったらなんて言えばいいのか、もうわかんないや。夜の街ってほんと不思議だなって、今でも思い出すたびドキドキしてる。