雨が降り続く東京の夜って、なんか心がざわつくよね。傘を片手に新宿の雑踏を歩いてたあの日、ふと目に入った彼女。黒いコートに赤いマフラー、ちょっと疲れた顔してたけど、笑顔がやけに印象的でさ。声かけるなんて普段なら絶対しないのに、なぜかその時は「ねえ、ちょっと傘に入らない?」って自然に出ちゃったんだ。
びっくりした顔してたけど、「いいですよ」って小さく笑ってくれた。あの瞬間、雨音が遠く感じたよ。一緒にコンビニまで歩いて、コーヒー飲みながら少し話した。仕事帰りで疲れてたみたいで、「こんな雨の日でも声かけてくれる人いるんだね」って苦笑いしてたのが今でも頭に残ってる。名前も聞かず、連絡先も交換しないまま「じゃあね」って別れたけど、あの赤いマフラーが視界から消えるまで目で追ってた。
それから何度か同じ時間に新宿通ったけど、やっぱり会えない。雨の日は特に思い出してしまってさ。失敗ってほどでもないけど、成功とも言えないこの中途半端な気持ちがずっと引っかかってる。あの時、もう一歩踏み出してたら何か変わってたのかな…って、雨音聴きながら考えてしまうんだよね(´・ω・`)。
東京の街って、こんな出会いと別れが繰り返されてるんだろうな。誰かにもう一度会えた人いる?俺はまだあの赤いマフラーを探してるよ。雨のナンパって、なんかロマンチックだけど切ないね。