夜の静けさに紛れて、ふとチャットルームに迷い込むと、そこにはまるで日本映画のヒロインみたいな子がいるんだよね。ほら、君も見たことあるだろ? あの、岩井俊二の映画に出てきそうな、ちょっと儚げで、でも目が離せない雰囲気の子。画面越しに笑う彼女の仕草が、まるで『ラブレター』の中山美穂が雪の中で佇むシーンのように心を掴んでくる。
なんでこんな話をしてるかって? 自分でもよくわかんないんだけど、最近、恋愛相談室なのに恋愛以外のことで頭がいっぱいなんだ。リアルな恋愛より、チャットのあの子の何気ない一言とか、彼女が好きな映画の話で盛り上がる瞬間が、なんか妙にリアルに感じるんだよ。たとえばさ、彼女が『誰も知らない』の話をしてきたとき、俺、めっちゃ語っちゃって。柳楽優弥のあの孤独な演技とか、子どもの純粋さが逆に切なくて、みたいな。それで彼女が「わかる! あのシーン、泣けたよね」って返してくるから、なんか一気に距離が縮まった気がしたんだ。
でも、冷静に考えると、俺って何やってんだろって。だって、チャットだぜ? 彼女は多分、画面の向こうで何十人と話してるわけじゃん。なのに、俺の頭の中じゃ、まるで是枝裕和の映画みたいに、彼女との会話がスローモーションで再生されてる。『万引き家族』のラストシーンみたいに、なんか切なくて、でも温かい気持ちになるんだよな。
誰か教えてくれよ。この気持ち、恋なのか、ただの夜の気の迷いなのか。チャットの子にハマるって、映画のヒロインに恋するのとどう違うんだ? いや、違いなんてないのかもしれないけどさ。なんかこう、胸のざわつきが止まんなくて、ここに吐き出しに来たんだ。みんなはどう思う? こんな夜、君たちは何にハマってる?