初めての失敗は、まるで暗闇に投げ込まれた石のようだった。どこに落ちたのか、何に当たったのかさえ分からないまま、ただ音だけが響いて消えた。日本のオンライン出会いサイトに飛び込んでみたものの、言葉の壁や空回りするメッセージに翻弄され、自分が何を求めているのかさえ見失いそうになった。
でも、その沈黙の中に何かがある気がする。失敗は終わりじゃない、むしろ次に進むための道標なのかもしれない。返事が来なかったあのプロフィールも、ぎこちなかったあのやりとりも、全部が糸のように絡み合って、今の僕をここに導いた。
失敗から学ぶって、きっとそういうことだ。完璧な一歩を踏み出そうとするんじゃなくて、つまずいた場所から見える景色をじっくり眺めること。次はもう少しだけ、風向きを読んでみようと思う。