夜の街を歩いていると、ネオンの光が反射して現実がちょっと歪んで見える瞬間があるよね。片思いってそれに似てる気がする。相手の心がすぐそこにあるのに、手を伸ばしても届かない。そんなとき、俺はネットの仮面をかぶる。信仰とか運命とか、そういうふわっとしたものに頼らず、自分の手で何かを作り上げたいんだ。
片思いを制するには、まず相手の心に刺さる「存在」になる必要がある。でもリアルだと緊張して言葉が詰まるし、失敗したら終わりってプレッシャーが重い。だから俺はオンラインを選ぶ。チャットや掲示板で、普段の自分じゃない「誰か」を演じるんだ。たとえば、雨の路地裏でタバコを吸うみたいな雰囲気のある男とか、夜のコンビニで物思いにふける感じのキャラとか。別に大げさな設定じゃない。ただ、少しだけ現実からズラした自分で接する。そうすると不思議と会話が弾む。
信仰がないってことは、奇跡を待たないってことだよ。神様がどうこうじゃなくて、自分で状況を動かすしかない。ネットならプロフィールを少し盛ったり、言葉選びで印象を変えたりできる。相手が何に反応するか見極めて、徐々に距離を詰めていく。たとえば、相手が音楽好きなら「深夜のプレイリストを漁ってたら懐かしい曲見つけた」みたいな話題を振ってみる。そこから自然に「一緒に聴く?」って流れに持ってく。リアルじゃこんなスマートにいかないけど、画面越しなら冷静に計算できるんだ。
もちろん、仮面をかぶるって言っても嘘つきになるわけじゃない。あくまで自分の延長線上で、少しだけ脚色する感じ。相手に「こいつ面白いな」って思わせたら勝ちだ。片思いって結局、相手の頭の中に自分の居場所を作るゲームだろ? ネットはそのための道具にすぎない。信仰とかロマンスとか抜きにして、俺はただ目の前のチャンスを掴みたいだけなんだ。
最後に、ネットの仮面はあくまでスタートラインだよ。そこからリアルに繋げるには、やっぱり自分の本質が試される。でも最初の一歩を踏み出す勇気がなけりゃ、何も始まらない。雨の降る夜、傘もささずに歩くみたいに、ちょっと無茶でも前に進む。それが俺の片思い攻略法だ。信仰なしで、どこまでいけるか試してみたい奴いる?